でぃーら

TAR/ターのでぃーらのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

0-0の壮絶な投手戦が、振り逃げサヨナラで決着したような読後感。

映画の後味が60度くらい変わるラストシーンに、良い意味で困惑。捉え方も難しい。
A.どんな環境でも音楽と向き合い続ける強さ、希望
B.落ちる所まで落ちた絶望
個人的な受け取り方は、マッサージのシーンの前振りも効いていて、完全にB。でもAが模範解答らしい。

ターの気狂いが最高。特に家が売れない歌。失意の中でも絶対的な正義として存在していた音楽が否定された、「スイッチが入った」シーン。

最後のクレジット表記が楽曲関連だけ。音楽へのリスペクトを感じて「カッコいい!」と思ったけど、思い返すと音楽自体が印象的なシーンはあまりなく…。ターという人間に引き付けられる映画なので、少しズレも感じる。

どうしてもセッションがチラつく。
天才の狂気という点は共通、負けたという点では対称的。

面白かった。