Edie

TAR/ターのEdieのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
5.0
アマプラで初見のパートナーと再見しました。2度目は客観的に見ることができ、まぁしゃーないわな、と笑 刑務所行きにならなかっただけラッキー位なお話。

人間のエゴはそれをしたら人生終わる、と思えるからこそコントロールできるのかもしれませんね。というか、そうなんでしょう。

しかし、とにかく神がかったケイトの演技は2度目も圧巻、天才指揮者リディアに魅了されました。これがもしマッチョな男性が演じていたら、最初から全く肩入れせず、最後も僻地で指揮棒振るってんじゃねー、このクソ野郎がー、ぺっ、と思うところ笑、そうはさせないこの映画、よくできてます。

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劇場鑑賞後レビュー↓



いやはや。圧倒されました。ケイトブランシェットが、偉大なマエストロにしかみえず、冒頭から本物の指揮者のお話を聴いてる気分で頷きながら聞いてしまいました笑 一方オルガに注がれる視線が完全にただのオッサンでキモっとなったり。アコーディオン、まさかのご乱心は圧巻。

バーンスタインのビデオを童心に返ったかのようにうんうん頷きながら観るリディアの姿には思わずホロリ😢

あそこまで堕ちて尚諦めないのは、純粋に音楽を愛しているからに他ならず、才能と情熱を持ち続けて生きていくのが難しいだけに、キャンセルカルチャー描写とリディアの転末は複雑な気分に。でもワインスタインなんかは当然だろ、と思う自分もいたり。

授業で男子生徒をやりこめてしまうけど、あの時リディアが言ってるのは、心を閉ざさなければ、もっと世界が広がるよ、ってこと。バーンスタインみたいに優しく伝えたら耳を傾けたかもしれない。

まだ整理できていませんが、鑑賞直後のフレッシュな感想ー。

劇場行ってよかった!あっという間の2時間半!
※劇場メモ:シネマカリテは最前列でも無問題。

2日後の鑑賞後記:
まさかの大転落でびっくりでしたが、ブルージャスミンみたいな気持ちにはならず、なぜか清々しい気分で劇場を後にしたのは、後半を再生と捉えたのと、全盛期過ぎて尚現役にこだわるキングカズ的美しさを感じたのだと気づき、腑に落ちました。

アマプラ来たらもう一回観たい^_^
この監督の前2作は未見なので観てみます。

義理の息子の中学校の男女比は女子が8割超、生徒会も女子が牛耳っており、男子は完全にマイノリティな為、それによる不遇をよく聞きます笑。ちょうど今年初め、学校の予算を使い、女子トイレだけに鏡を設置した事が発覚笑笑、女性やマイノリティが権力を持てば平和になる、ということでもなく、権力を持てば誰でも横暴になると話したのを思い出しました。

観るのは大学生くらいでしょうが、一緒に見て家族で議論するのにも面白い映画だと思いました^_^
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