みんと

TAR/ターのみんとのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.7
ケイト・ブランシェット圧巻の演技!!

…なんだろうけど、皆さんが絶賛する程ハマらず残念。そもそも『セッション』イメージで観てしまったが故の肩透かし。

クラシック音楽界で頂点に上り詰めたリディア・ターの才能故の苦悩を描いたドラマ。

実在するかに思える一流音楽家ならではのアレコレのエピソードや舞台裏は興味深くもあるし、多分それほどかけ離れない現実もある気がする。いや、間違いなくある。

現代社会の縮図的な権力の構図とか、人種、ジェンダー、キャンセル・カルチャー …
と、盛り込まれるテーマも切実で時代感もあるし、描き方自体も重い。だからこそブランシェットの憑依型の演技が際立つし、メインテーマとなる権力の部分では、人間が人間である限り永遠のテーマとすら思える。

ただ、個人的にはプツッとプツッと途切れる自分の中の感情にイライラ、モヤモヤ、作品に入り込めなかった。
正直、難解に感じてしまったのは理解不足かなぁ…。きっとそう。笑

ラスト展開を安易と感じるか、希望的に感じるかでも印象は大きく違うと思う。
もっとも、ジャンル的には好みなので、メリハリの部分と演奏シーンがしっかりあれば少なくとも満足感には繋がった気がする。

何れにしても、ケイト・ブランシェットの神がかった演技にはただただ拍手!
そして、きっと考察し甲斐がある作品にも違いない。
みんと

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