頂点まで登り詰めた人が崩壊していく様子は見ていて気持ちいいものではないのに、どんどん引き込まれていくし、見終わった後にはスッキリした感覚もあった。
合理的、実力主義、な主人公と周りとの温度差を肌で感じながら変わらないし、変われないのかもしれない。この感覚は自分ごとのように感じた。
主人公は色んな要素から壊れていくが、壊れていく中で今どきの若者だったりSNSだったり、現代的とマッチした描写も多くて見ていて飽きない。
人の転落を描いた映画は多いかもしれないが、そういった点が転落を描いた他の映画との差別化になってるのかも。
また、マエストロらしく、音から周りの違和感に気づいてくる点も良かった。隣の家だったり犬の足音だったり。
そして転落後のやり直し方も彼女らしい。1人アジアに移り住み、バチバチに闘っていく感じ。これまで登り詰めたように、必ず復活すると思う。
最後に、なんといっても演技力が素晴らしかった。録音会？に突撃するシーンはあの一瞬にも関わらず恐ろしすぎた。
