えるどら

TAR/ターのえるどらのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.9
圧巻の映像美と音楽による映画体験。映画館に行けなかったことが口惜しい。

なぜ上映期間があんなに短かったのだ!
なぜ私の住む地域にはIMAXが存在しないのだ!
なぜ私は多少無理してでも映画館に行かなかったのだ!
予告編で絶対に面白いと確信していたのにも関わらず!!

狂気の音楽家・ターが人間社会の悪意に堕ちていく映画。
清々しい逆転劇が見られるかと思ったら意外と素朴なENDで驚いた。
あれもあれで良き。
だからこそ映画館で鑑賞して明るくなったあとに余韻に浸りながらジーンとしていたかった。

私はデイミアン・チャゼル監督の『セッション』が何より大好きなのでそういう感じかと最初は思っていた。
どちらかというと真逆(天才が徐々に堕ちていく本作と、開花前の学生が徐々に才能に目覚めていくあちら)だったなぁと見終わった後一人で考えていた。

画角、音響、演技、脚本…etc. どれをとっても映画的、映画でないとこの映像は見られない。素敵な映画体験であった。
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