完璧主義の超天才指揮者が、スキャンダルにより転落していく話。
スタイリッシュかつ、ドキュメンタリーのような自然な雰囲気があり、話の内容に反して、心地良さを感じる映像だった。
話の運びは淡々としており、あらすじ以上のことは起こらない。
尺の長さも相まって、途中で飽きかけたことも事実だが、終わり方が非常に良く、最終的には良い作品だと思った。
ターというキャラクターについてだが、私は純粋にカッコ良いと思った。
私の目には権力に溺れているようにも見えず、ひたすら仕事人に映った。
言っていることは本質的で正しいことも多い。
しかし、その「正しさ」があまりに合理性に裏打ちされているため、知らず知らずのうちに周囲の人の感情を掻き乱し、このような事態に繋がってしまったことも事実である。
権力を持つ者は誰しも、周囲の人々の心と上手に向き合う必要があること、そして疑惑に繋がりかねない言動は慎む必要があることを学んだ。
