終盤、意外な方向に物語が向かっていくのでおもしろかった。
ヨーロッパのクラシック界という権威と品位とオクシデンタルな教養によって成り立つ閉鎖的な世界への批判映画…なのかな。
物語の冒頭からクラシックに関連する用語が衒学的なまでにセリフに散りばめられて、「そういう層に向けた映画なのか」と思いながら観てると最終的にはそれらへの批判を目的とした伏線的な表現だったと気付かされる。
「マーロン・ブランド出演の映画撮影のせいで、とあるアジアの川に外来生物のワニが棲みついた」ってところ本当なのか気になる…。
やっぱり地獄の黙示録連想するよね。違う映画らしいけど。
大まか楽しめたのだけど、やっぱり西洋と東洋の対比の仕方自体が西洋人のよくもつイメージが先行してるように見受けられて、作り手が自己批判、自己反省的になってるように見せかけてるだけで結局フェアなところで映画を作れてないような印象を持った。
アジアいいね、とかいいつつも結局どことなく偉そうなんだよな。
そんなのはすぐ見透かされる。
この映画の表現手法も映画好きが喜ぶような演出になってて、それ自体もハイソなクラシック音楽界と似たようなところあるんじゃない?みたいな気持ちにもなった。
決して分かりやすくはないし。
あーそうか、そこがクラシックとポップミュージック、映画とゲームの対比構造になってるのか。