んー… 思ってたのと違った！
権力を振りかざし、人々と音楽を思い通りにコントロールするター。毒々しくアグレッシブな態度が厭わしい。音楽家としても人としても、魅力的な人物にはとても思えない。そんな彼女の心が壊れていく様子を見て、私はいったい何を感じればいいんだろう。キャンセルカルチャーの是非を問いたいのなら、少しでも彼女に同情できる余地をくれ… あと男言葉の字幕がくどくて嫌だった。
鑑賞後、毒抜き(笑)も兼ねてバーンスタインの指揮を見た。柔和な表情で楽しそうにタクトを振る彼は、無理なく自然と演奏者をリードする。その姿には確かに権威が窺えるけれど、傲慢さはない。持ち前のエゴと傲慢さで人々を操るターは、見せかけの成功を得て独りでに満足していたに過ぎなかったんだ。その結果、バーンスタインのような尊敬されるマエストロになることができなかったのだと思う。
