ありめろん

TAR/ターのありめろんのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.3
ケイトブランシェットの存在感と演技を堪能できる映画。
麗しい美魔女になったり、嫌なオバサンになったり、なんでも出来る彼女だけど、
今回はレズビアンのマエストロという難しい役柄でした。
記憶に新しい作品だとドントルックアップ。180°違うキャラだけど様になっててかっこいい!すごい人だ🥹

この作品はずっと観たかったから、配信されてるのは有難いんだけど、これまた長いこと長いこと…。
眠気と戦いながら、気合いで最後まで観ました。

あほめろんは自分の解釈に自信が持てず、観終わった後すみやかに考察サイトへ飛んだんだけど、
結局どうにも暗い気分が抜けない作品でしたな。

私のお気に入りはターが黒人の学生にお説教するシーン。
「自分自身の性自認や肌色から、バッハの生き様に対する共感がし難いので、バッハは聴かない。」
という学生に対して、「そういうことを言うなら、いずれ貴方も音楽ではない部分で評価されることになる」
と返すター。

「貴方の考え方を模っているのはSNSでしょう」

↑これ、多様性やらなんやらで自由に自己認識して、生きやすいように生きている若者はめっちゃ言われたくないでしょうね😥
私はターの意見はすごくごもっともだと思うし、アートやクリエイティブ、芸術を評価するのに作者の出自や背景も関係ないとは思うけど、
じゃあ自分と異なる意見を持っている人まで批判して、皆の前で辱めてもいいかっていうと、そこには繋がらないんじゃないかな。

どんな物事にも賛も否もあることを受け入れずに、頭ごなしに説教なんてしちゃったら、どこかで誰かの反感を買うからね🤐

ターは音楽に対してとても真面目で、そこは観ていて単純にかっこいいなと思ったし、仕事に情熱を捧げている人は私も素敵だと思う反面、
スキャンダルが出たり浮気したり傲慢だったり、音楽以外の部分ではポンコツになってしまって人として駄目な部分も多い。
自分の上司がこんなだったら疲れそう。
それでも私はターは嫌いにはなれなかったし少し親しみも持てたから、ラストはなんとも言えない気持ちになってしまった…。

見えないところや説明が完全に端折られている部分がほとんどで、誰でも楽しめる映画ではなかったけど、
良い作品だったと思います。おわり。
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