アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされた本作。アマプラにてようやく鑑賞。
初めから終わりまで淡々としているが、重く鬼気迫る映画だった。そのくらいケイト・ブランシェットの演技は圧巻。
ただ、その分映画としてのカタルシスや感動は希薄にも感じた。せっかくの音楽テーマ、しかもケイト主演なのに演奏シーンや人物の深掘りをしても良かったかも。
ただその分ホラー映画かと思うようなゾワゾワ感や焦燥感はあり、監督はそれを狙ったんだろうなぁ。
男性の性加害問題やMe Tooなど話題だが、今作は女性のそれを描いているのがある意味新鮮。ただ、この映画を見ると結局は性やハラスメントという表面的な問題の根底には権力や保身、それに対する妬みが根本なことにも気付かされる。
本作に登場するター以外の女性も被害者であると共に、ターを利用してたわけだし。って書くと批判されるのかな…それくらい、人間の感情は複雑だということかも。