このレビューはネタバレを含みます
少し分かりづらい内容か。頂点に立った天才指揮者が没落していくというストーリー。成功に固執するあまりに、他者へのリスペクトが足りなくなり、自分自身に酔っていくター。協力者は減っていき、ター自身も精神的に病んでいく。
現実感は全体的に薄めで、後半に向けて加速度的にリアリティの喪失が起きていく。
この話は、ある女性が見ている妄想の世界を丁寧に表現しているのかもしれないし、現実に「リディア・ター」は存在し、成功から地の底まで落ちていき、そして自分自身の再生をしようとしているのかもしれないという、2つの考えを持った。天才指揮者の没落を描くならもう少し現実感を強めに描くべきだったかな？
