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TAR/ターのskipのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.9
ケイト・ブランシェットの指揮者としての佇まいにまず目を奪われた。そんな自信溢れる彼女が、どんどん追い詰められて病んでいく不穏な描写にゾクゾクしたし、どん底から這い上がっていく過程には、観ているこちらの気持ちも上がっていった。病んでいた彼女がモノクロの冷淡な空間から、亜熱帯である南アジアに身を置くことで、徐々に生気を取り戻していくさまが実感できるのが良かった。ラストシーンで再び指揮棒を振るう彼女に、音楽に対する情熱を傾ける強さを感じた。…これが初見の感想。
その後、いろんな方のレビューを観て、違った角度から観れば、テーマも変わりうる作品であることをまざまざと感じさせられた。
大物芸人のハラスメント報道が取り沙汰されている昨今、何事も一方からの意見だけでは語れないものだよなぁとあらめて思う。


そして、好きなシーンは、解雇されたターがオーケストラの公演に乗り込んで行くシーン。フリとオチのあざやかな流れがたまりません!
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