もう、ケイト、ブランシェットに尽きるでしょう。
作品自体は、それほど素晴らしいとは思わ無いが、時折観せるワンショットなど、中々凝ったカメラワークのできる監督ではある。
物語としては、音楽院の授業での学生を論破するシーンが素晴らしい。バッハの事を議論しているようで、実は自分の音楽に向けた姿勢を語っている。
作品と作者自体の私生活とは、無論、切り離すべきなのは、芸術、スポーツ、研究などの創造するもの全てに当てはまる。
この主人公は、私生活では自分の欲望の赴くままで、飽きたら、人間関係全てを切り捨ててきた。
それでも、音楽にかける情熱は、プライドも何も無く、ラストそこまでしても、続けていくのである。「あの」ベルリン・フィルの常任指揮者が。
ある意味逆に、清々しい結末だった。