むっっっず。映画館で見逃した作品だけど、配信だからこそ何回も巻き戻してちょっとづつ理解できた。
ターには素晴らしい才能があり、血の滲むような努力もしてきたのは確か。
しかし、いくら生み出すものが素晴らしくても私生活での人間性が終わってる人が評価される時代はもう終わったのです。
(…といっても、現実世界ではスキャンダル起こしてもすぐ芸能活動に復帰できる人もいれば、ずっと表舞台に戻ってこれない人もいて結局好感度じゃんと思うことはありますが。それで言うとターは元々愛されキャラではなかったしね…)
冒頭になっがいスタッフロールがくる斬新な作りで、これは音楽や映画などの制作者へのリスペクトなのかなとは思ったが、映画全部見たあとにもう一度戻って見るとスタッフロールの見方も変わってくる。
指揮者や映画監督が権力ピラミッドの頂点にいるように思えるが、この中の誰一人欠けてもこの作品は生まれておらず全員等しく尊重されるべきなのだ。これは芸術に限らず、会社とかにも言えること。
ケイト・ブランシェットの演技がとにかく見もの。ポーカーフェースを装いながらちょっとした動揺や高揚感が顔に出ちゃってる演技がすごい。
ターは論理的思考で物事を冷静かつ偉そうに分析してるけど、自分の行動は全然論理的じゃなくて感情に支配されちゃってるのがなんとも人間ぽい。人間は矛盾する生き物だからそれは否定しないけども。だからといって人を傷つけていいことにはならないね。
ターの音楽に対する姿勢は勿論いいところもあるので、バーンスタインのような言葉選びができればよかったのだろうか。
一度は調子乗って没落してしまったけど、一切のプライドとか捨ててもう一度這い上がろうとするターのガッツは好き。
アジアとゲーム音楽をばかにするなよぉ！とは思ったけど、自分の悪評が届かない遠い場所とジャンルに逃げ込んだだけだと捉えるようにしよう…。ターと同じで悪意のない傷つけが発生していることがまた悲しくて意義あるラストだと思う。
エンドロールの曲一覧に
「Apartment For Sale」Written by Cate Blanchett & Todd Field
って載ってて笑った。
あとポスターのデザインがかっこいい。
