シオ

TAR/ターのシオのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.0

選ばれし者が
到達する世界

何を得
何を失う

権威や格式は
羨望と嫉妬に塗れ
自他共に狂わせる

世紀を隔て
Mahler に重なり

現代のTar は
何処に行くのか


Symphony No. 5





_____

あらゆるシーンに
皮肉を散りばめ
現代的文法で
描かれている

サスペンス、スリラー
ドキュメントetc

複雑なようで
プロットは実にシンプル
上品な演奏や音楽で
物語を綴らずに
あえて対極な表現で見せる

エンドクレジットで
Electronica
究極のirony



ケイト・ブランシェットの
神掛かった演技に圧倒されます

映画界の権威や格式を背負った
アカデミー賞は
この痛烈な皮肉に対して
戴冠はさせないでしょうね


Mahler の
ウィーン・フィル辞任の顛末
脚本の確信的意図が見え面白い
シオ

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