TAR/ターのtoroのネタバレレビュー・内容・結末

天才でさらに権力も持つと視野狭窄になりやすいっていう話。

元々の依頼は男性指揮者の脚本だったのを、ケイト・ブランシェットに当て書きしたおかげで男性の搾取の話から、同性愛者の女性という少数派の人でも才能と権力と機会さえあれば搾取する側に回ってしまうという一段深い話になっていたのが良かった。

あと、才能を持っていれば性格的に難があっても周りが許容してしまいがちな事、色んな意図で才能に擦り寄っていく人もいる事、天才的な閃きの中に自分の欲望と重複している部分がある場合の取捨選択等、興味深い問題も沢山あった。

わざわざ言うまでもないけど、ケイト・ブランシェットが本当に素晴らしい。