以前、映画館で1度観たがそれだけではあまり理解できず、その後配信された為再び視聴しました。
ひとことで言うと非常に変な映画でした。
エンドクレジットは最初にくるし、ずっとホラーテイストだし、最後はまさかの海外に大人気の日本のアレっぽいもので終わるし、そこがやはり第一印象でした。
改めて見返した所、Tarが前時代的で男性的な芸能界の重鎮と重なるように感じていました。団員どころか子供や生徒にも力で押さえ付け、周りには自分のお気に入りを侍らせて恐らく肉体関係があった人もいたのでしょう。しかし、異なるのはTarがレズビアンの女性であったことです。
ケイトブランシェットの演技が素晴らしく、以上のように思いながらもどこか魅力的に見えて一瞬同情的になってしまう自分もいるほどでした。
つまるところ、ここに人種やジェンダー問題に向き合うことの難しさがあるのでしょう。
差別する人の中には魅力的で、自分がその人の力に押さえられていることに気付きにくいこともあり、さらに差別してる人自身そのこと気付かないこともあります。
このように自分の立場からの見え方によってこれらの問題を考えることの複雑で難しさ、それをこの映画から感じられました。
しかし、この映画はこれだけでは終わらず。彼女が自分がしてきたことにに気付くシーンもありました(終盤のアジアのマッサージ店)。そして、そこから新たに考えを改め(たように見えた)、一歩踏み出す。ここからはじまるからこそ、エンドクレジットが最初にあったのでしょう。私はそのように感じました。
私は最後は良い意味にとらえたのですが、他の人の感想には「ターはクラシックからゲーム音楽の指揮者になったから落ちぶれた」と良くない意味で捉えていました。
なるほど、ここでも見え方の違いがあらわになりました。
その他にも、クリスタのメッセージとホラー演出もとてもよかったです。