2022.3.17 大阪アジアン映画祭の特別上映にて鑑賞。
映画を観た後に原作を読んだが、映画はかなり大胆に脚色してあることに驚いた。原作より複雑な構成になっていたけれど、それが実に映画的で大正解。
この設定を成立させるには、主人公・春人が魅力的であることが必須だけど、田中圭演じる春人は、女子高生を魅了するという役柄に十分すぎる説得力を与えていた。その上、自らの異常性を自覚しながら、その衝動を抑えられない苦悩、正気の中にもふっと現れる狂気、その加減が絶妙で唸った。田中圭はこういう繊細な演技、表現が抜群にうまいと再確認。
また、映像がどのシーンをとっても非常に美しかった。美しく撮ることにかける監督の執念を感じるほどだった。その美しさは、春人が自分の理想の死に感じているものと共通するのかも。
テンポもよく、あっという間の110分で、単純に謎解きとしての面白さも抜群。4月1日に公開されたらまた観に行きたい怪作であり快作でした!