女子高生に殺されたいのゆうのネタバレレビュー・内容・結末

サスペンス描写は垢抜けない部分も多い。殺されるシナリオの説明がくどいし、コーヒーのすり替えを映像で見せるあたりも巧くはない。この作品の評価ポイントはひとえに、原作との距離感の付け方の巧さにある。
原作における森での扼殺に対し、文化祭での首吊りという派手な演出を作った。さらに、沢木愛佳(茅島みずき)というブラフが用意され、キャサリンの正体という引っ張りでサスペンスが持続する。
城定監督の面目躍如は、やはり東山春人(田中圭)と女性キャストとの絡みだろう。君島京子(莉子)とのあざといやりとりはもちろん、深川五月(大島優子)とのあっさりした馴れ初め場面も雰囲気だ。後、「のぶおじゃねえぞ」には笑った。
個人的には、『悪の教典』や『殺し屋1』の三池崇史を彷彿とさせた。職人監督・城定秀夫の新境地を見せてくれたと思う。『ビリーバーズ』楽しみにしてます。