NHKの単発地域ドラマみたいないわゆるいい話ですね。ツユクサっていってもたわいもないタイトルですよ。確かにツユクサがきっかけで男女が出会ったりもしますけど、それだけです。でも、ごく一部の誰かの背中を押したり心に響いたり楽になったりする。そんな映画だと思います。
軽いタッチのお手軽な映画なんですけどベテランの俳優たちやベテランの監督による手練れ感があふれる作品だと思います。いろんなことをしっかり見せようとするんですよ。この工場ではこんな風に作業を進めてるということをわざわざしっかりと見せる。それは説明を受けさせられる煩わしさを感じさせない程度のギリギリの演出でしょう。工場で働いてる人たちをじっくり映し出すことによってその地域で暮らしている人たちというのが見えてくるような気もします。
小林聡美さんというのは、やっぱり見ていられる人だなあと思いますね。本作ではより普通の人、本当に地方の町で軽自動車を運転してそうな感じのおばちゃんでしたが、「金八先生」や「転校生」をリアルタイムで知ってる世代だからいろんなことを思う。年取った。ちゃんと年取ったんだなあって思いながら眺めるように映画をみる。自分も色々あって年取ったけど、小林さんも色々経験しただろうし、その分映画にもいろんなことが反映されているように思いました。
