PERSPECTIVE

モリコーネ 映画が恋した音楽家のPERSPECTIVEのレビュー・感想・評価

4.9
挿入される数多の映画の素晴らしさは言うまでもないが、それらの展示会にとどめずあくまでモリコーネを”映画の登場人物のごとく”魅力的に映すキャメラの距離感がたまらない。もはやドキュメンタリーの枠を超え、映画史音楽史を生かし続ける活劇としてこの映画は存在してしまっているのだ(誰一人の追悼文も表示されないが何よりの証拠である)。

しかしあの旋律の根底が現代音楽にあったというのはテクノ好きの自分としては何よりもうれしい事実だ。思えばモリコーネの音を以て監督、観客と交信し続けるという姿勢は、あまりにもテクノなものなのである(故に物体Xの電子音をどう作ったのかも聞きたかったなあ)。
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