はせ川

モリコーネ 映画が恋した音楽家のはせ川のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

(なぜ鑑賞したのか分からないくらい)恥ずかしながら音を手掛けた映画に全く触れてこなかったが、ハンスジマーとジョンウィリアムズが出て来てさすがに存在の大きさが分かった。ストレッチから始まり、楽器と思しきものが全く無い部屋でスコアを淡々と書き上げる姿はマエストロそのもので地味だけれど圧巻だった(監督とモリコーネの関係性だからこそ撮れたのかは分からないが、部屋でひとり指揮を振るシーンの画角を含めちょっと出来すぎてる)。多彩さや二面性を下支えしていたのは映画音楽以外のポップス編曲家や前衛作家としてのキャリアと言うのが面白くむしろそちらの方に個人的な興味が湧いたし、そこに今後音楽的な評価が高まる余地を感じた。ただしキャリアのデカさと音の重厚さ荘厳さに1時間を過ぎた辺りからお腹いっぱいになり最後まで受け止めきれなかった。納品する曲のジャッジを妻にしてもらっていたというエピソードは大変興味深かったが、マリア自身の声を映す場面が出てこなかったのは残念だった。また「後世に影響を与え続けている」と言いつつ、メタリカやブルーススプリングスティーンのようなロックの殿堂を例に出されてもあまりピンとこないな…とも。
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