くめこ

モリコーネ 映画が恋した音楽家のくめこのレビュー・感想・評価

4.7
不覚にもハンカチを忘れてしまい、溢れる涙をずっと手で拭って見ていました。

もうスクリーンでは見られないのでしょうな…と思ったら、上映があり、行くことに。一瞬、もう配信があるから配信で良くね?とも思いましたが(なんせど田舎住みで映画館まで時間がかかるもので😅)、大好きな作曲家なので行きました。行って良かった…。音楽がいい音でいっぱい聴けて良かった…。トルナトーレ監督のモリコーネさんに対する愛も感じました。。

映画は総合芸術とは言いますが、音楽の力もその一部であることを強く感じました。曲があるのとないのでは、意味合いが違ってくるんですね。モリコーネさんの曲なら尚更。役者がよりかっこよくなったり、魅力的になったり、悲惨にだってなるし、ストーリーもより魅力的になるのをまざまざと感じさせられました。その作品に対する把握力とより魅力を引き出す作曲能力の凄さの一端を垣間見られて幸せでした。

しかし、他の作曲家からの反発もあり…。それでも真摯に作曲を続けられ、ご自身では図らずもその映画音楽の境界を広げてくれた1人がモリコーネさんだったのだなと思いました。
葛藤や罪悪感、悩みながらの活動、人となりや作品に親しみを感じてしまうのも魅力でした。

「ミッション」のガブリエルのオーボエは、ありがたいことに地元のコンサートで知り、モリコーネさんだと後から知りました。なんて美しい曲なんだと思いましたが、ご本人は映画作品自体が美しすぎて最初は曲なんか書けないと断ったとのことで驚きました。その後、あんな素晴らしい曲を作ったのかと、、。様々なエピソードが素敵でした。。

セルジオレオーネ監督、何となく名前を聞いたことがありますが、「ワンスアポンアタイムインアメリカ」の監督で、モリコーネさんとは同級生とのこと。こんなことあるんですね!「ワンス〜」は見たことないので観たいです。

「ワンス〜」もそうですが、モリコーネさんと共にすごいのが、扱う作品で。ひとつひとつ絵のように魅力的で、見てみたいと思いました。一部「わー💦」というシーンもありますが笑。
特にベルナルドベルトルッチ監督の「1900年」とジッロポンテコルヴォ監督の「アルジェの戦い」はもう芸術でした✨一際美しさが際立っていました。

音楽については良くわかりませんが、20世紀はクラシック音楽に代わり、映画音楽の時代だったのかな、と感じましたが、異論は認めます笑。誰か教えて偉い人!

トルナトーレ監督本人の作品だからか、意外と「ニューシネマパラダイス」、「海の上のピアニスト」のことはあっさりでした、、。けどもっと扱っていいのよ!と思いました笑。

上映ありがたい!幸せなひとときでした。
くめこ

くめこ