DieGeschwindi

モリコーネ 映画が恋した音楽家のDieGeschwindiのレビュー・感想・評価

3.8
物語は自らの回想から始まる。トランペット奏者の子として生まれ音楽学院に進み、ふとしたきっかけから映画音楽を手掛けることになるモリコーネ。淡々と事実のみを披瀝していき、マカロニウエスタンのあたりまではどちらかというと退屈な内容だった。だけど、『1900年』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』に至っては、映画の映像とともにモリコーネの音楽が流れてくるだけで泣けてきた。『ミッション』、『アンタッチャブル』、そして『ニュー・シネマ・パラダイス』へと続くともう涙腺が完全に崩壊。
数々の映画監督とともに、映像以上の価値を映画にもたらしたエンニオ・モリコーネ。彼の紡ぎ出す旋律に、心揺さぶられてきた。彼の生み出す音楽そのものに触れることで、あの日、あの映画に心を高鳴らせ、涙した瞬間が蘇ってくる。彼への感謝とともに今夜は人生何度目かの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を観ようか。