ちろる

ワン・モア・タイムのちろるのレビュー・感想・評価

ワン・モア・タイム(1989年製作の映画)
3.8
20年以上も亡夫を想う未亡人コリンヌの娘にできた恋人アレックス。
実は彼は亡夫の生まれ変わりで、コリンヌの前に来るとアレックスは前世を思い出し、娘そっちのけで迫ってしまう。

物語自体は奇想天外なファンタジーで、ちょっとすれ違いコントのような雰囲気もありますが、鑑賞者側からすると、素っ頓狂なアレックスの行動も仕方がないことで、コリンヌへの強い愛情を示す言動もなんか応援したくなってしまうのがややこしい。

アレックスを演じるのが若きロバート・ダウニー・Jrで、コリンヌはシビル・シェパード。
シビル・シェパードがとっても、お美しいので、あながちありえるからまた厄介極まりないし、メアリー・スチュアート・マスターソン演じる娘はなんか可哀想。
登場人物が基本みんなめちゃくちゃ良い人たちなので、みんなに幸せになってもらいたい!と願う中、いい感じで機能するのがライアン・オニール演じる亡き夫の親友。
コリンヌの結婚前からずっと想いを寄せていて、夫と死別した後も決して恋仲になるわけでもなく男手として同居するという聖人なのか、忍耐強いドMなのかわかんない彼の存在に対してアレックスが、そしてコリンヌがどう気持ちの落とし前をつけていくのかがキーとなっています。

コメディ路線で進むのかと思っていたけど、ドタバタ劇の面白さに頼るわけでもなく、しっかりとした脚本で、ラストは切なくもあったかい気持ちにさせられる。

主題歌となっている『After All』も素晴らしくて、作品ともリンクしてグッと心に迫ってきて運命について考えさせられる良作となっていました。
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