平和を祈るヒツジくん

神々の山嶺の平和を祈るヒツジくんのレビュー・感想・評価

神々の山嶺(2021年製作の映画)
4.8
「フランスが作ったアニメ映画版『神々の山嶺(いただき)』アマプラで配信されてるから見ろ!実写と間違えるなよ!」とネットにレビューがあったので見てみた。

『孤独のグルメ』の作画担当で有名な谷口ジロー先生が描いた登山家の話。
失踪した登山家・羽生を追う記者の深町。
始まりはジョージ・マロリー(「そこに山はあるから」と言った人)が遺したカメラを中国人から奪う、消えたはずの羽生を、深町が目撃したところから。

僕は山に興味があるので、色々調べたことがある。登攀(とうはん)とか鬼スラという単語も調べていくうちに覚えた。
調べるうちに印象に残ったのが栗城史多氏。
彼は無呼吸登頂にこだわり、指をほとんど失った。それでも挑戦することを止めず、最後はマッキンリーで命を落とす。栗城氏は無謀な人だったので、多くの批判を呼んだ。


山には人を惹き付ける“なにか”がある。
指を失っても、死にかけても、それでも山へ登りにいく人たちが絶えない。
羽生は後輩とライバルを失っている。それでも登山への挑戦はやめない。
「誰かが記録を達成すると、他の登山家はまた新しい挑戦へと向かう」と劇中言っていたが、無酸素登頂やら危険なルートやら、自殺行為と思われるようなことへ挑戦してしまう。ただの登山では満足がいかないのだ。
「そこに山があったからじゃない。ここに俺がいるからだ」と羽生は言うが、暗い情熱に動かされる理由はなんだろう・・・結局自分で山に登らないと、羽生の言ってることは分からないんだろう。


フランスアニメはとにかく背景がキレイなのが特徴!あっさりさせたアメコミみたいな印象。フランスで他にも色んなアニメがアニメ化して欲しいなあ・・・
吹き替えの大塚明夫さんの演技が凄かった。過酷なアルプスの高山帯が声だけで伝わるような、迫真の演技でした。

原作だと「水はいくら飲んでもよい」とかそういう豆知識がチラッと入るから面白い。原作も見たくなってきました!
山登りも行きたいけど、ボクは体力ないので程々がいいなあ・・・