せいか

神々の山嶺のせいかのレビュー・感想・評価

神々の山嶺(2021年製作の映画)
1.0
10/03、AmazonPrimeにて視聴。吹替版。
夢枕獏の同名の小説を原作とするアニメ映画だが、原作は未読。フランスが製作国。
登山家の羽生がエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑むというものがベースだが、マロリーは登頂できていたのかという謎や、なぜそこまでして山に登るのかという疑問を抱きながらそれを追うカメラマンの存在によって話がまとめられている。
それに挑み続けるしかないどうしようもない生というものを描いた作品。登山家にとっても、そうでなくても何かを追うひとにとっても、もはや死んで足が止まるまでは進み続けることがやめられないという、情熱の一言でまとめるには何か決定的に違いもする生き方が示されていたように思う。
話の内容自体は原作なり他のメディア展開との比較とかそういうのはできないけれど、ちょっと全体的に淡泊すぎるというか、静に振り切り過ぎというか、ちょっと分かりにくくなっているというかという感はあった。全く意味不明とかそういうのにはなっていないし、十分意図が察せる程度ではあるんだけれど。

登山小説といえば多少は読んだことがあるけれど、そのどれもが登山の厳しさを示すものばかりなのもあって、そもそもよく登るなあとはドが付くインドアの身としてはしみじみ思わされるものなのだけれど、止まらねえんじゃ仕方ねえわなとでも言えばいいのかなんなのか。
でも、「登山」だから私の場合特に何となく遠巻きに眺められるだけだったけど、本作ではカメラマンみたいな存在がいることによって、そのどうしようもなさって他の分野でも、どんなひとの人生でも大なり小なりあるし、または起こりうるものだよねというものになっていて、そうよねと思ったというか、そうした点も実際に登山に魅了されている人の文などを読んでもきてもいる中で、そういうことであるというのを何とか説明しようとしているものは読んで、身近なものに寄せて多少は理解してはいたので、本作ではそこを繰り返し主張された感じだった。登山家以外にとっては遠い世界の話ではあるけど、その精神性も絶対的に遠いものではないんだよなというか。
せいか

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