Omizu

田舎の日曜日のOmizuのレビュー・感想・評価

田舎の日曜日(1984年製作の映画)
4.0
【第37回カンヌ映画祭 監督賞】
『ひとりぼっちの狩人たち』ベルトラン・タヴェルニエ監督作品。カンヌ映画祭で監督賞を受賞、セザール賞では助演女優賞(サビーヌ・アゼマ)を受賞した。日本でも評価が高く、キネ旬外国映画ベストテンでは第8位にランクインした。

タヴェルニエ作品はこれが初めてかな。日本で観られるものがあまりないのだが、これはとてもいい映画だった。地味だが心に染み入る素晴らしい作品。

老画家とモダンな娘、そして亡くなった妻を描く人間ドラマだが、暖かで豊かなタッチが心地いい。

NBRでも受賞したイレーヌ役サビーヌ・アゼマが特にいい。最近同じようなことを書いている気がするが、受賞するっていうのはそれなりの理由があるなぁと賞ウォッチャーとして思う。慌ただしく帰ってきて突然去って行く娘と、静かに観ていることしか出来ない父。この関係性がフランスらしい。

丁寧に老画家の日常を描いていくタヴェルニエ監督の手腕も確かなもの。いなくなってしまった妻への喪失感がダイレクトに伝わってくるような描写が非常にいい。

静かで特に盛り上がるようなシーンはないものの、繊細に心の機微を描いた傑作。タヴェルニエ作品、これは観ていかないといけないかも。
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