ドナウ

田舎の日曜日のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

田舎の日曜日(1984年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

印象派絵画のような自然と田舎の牧歌的な雰囲気に薄っすらと影を落とす死が不安や緊張を感じさせる。老人が静かに老いを見つめ、他愛のない日常や些細な出来事を噛み締め、死を目前にして今更何を変えられるわけもない、けどもう少しだけと前を向く。田舎と都会、老いと若さ、伝統と先進、休日と平日、決して相容れないものではあるけれど上着を脱げば皆人間、歩み寄ることはできるはず。気持ちの変化の形…それは八月の鯨では窓でしたが今作も窓。今まで描いてきた部屋の隅から窓の外の自然、きっと昔憧れていたセザンヌやゴッホのような絵を書くのでしょう。この窓と自然のファーストカットとラストカットのつなぎがとても素敵でした。冒頭、主と使用人の歌のぶつかり合いが不仲ではないけれど二人の本音を物語っているようで面白かったです。
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