諸星だりあ

仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダルの諸星だりあのレビュー・感想・評価

4.0
試写会にて一足早く鑑賞。

TVシリーズから10年後の世界、復活した古代オーズにより世界は破壊的な状況になっていた。
そんな中、コアメダルが修復され復活したアンクは映司と再会するが、その映司には違和感が…。

一時間という短めの尺で、オーズ、というより火野映司の運命を描ききった最終作。
TVシリーズでは自らの命を賭して映司を救ったアンクだが、今作の再会は彼に強烈な事実を突きつける事になった。
様子のおかしい映司がもたらす不安感、絶望的な状況で成長した伊達&後藤コンビが見せる頼もしさ、これら全てが登場キャラの「絆」を感じさせる正しい続編の空気感がまず素晴らしかった。
その中で、かつての敵達が揃いつつも倒すべきは唯1人、と状況の整理が早く観やすい物語。
ここはVシネの尺である事が正解であろう。

何より、復活を経て成長したのはアンクであり、「気安くアンクと呼ぶな!」には映司への友情が乗っかり台詞に真っ赤な色が着いている様、興奮した。
プトティラにより敵オーズを圧倒する強さ、それを超えて最後の敵となるゴーダに対するタジャドル。
ガタキリバ、バースの新フォームなどオーズファンの観たいものは揃えた上で最後に明らかになるアンク復活の秘密。
おそらく映司は、出来るのならばこうやってアンクを蘇らせたかったのだろう。

平成ジェネレーションズFINALにて、束の間の再会に涙した映司。
今回はアンクが、戦友の命と引き換えに救われた皮肉な運命に涙する。
「俺はお前だから助けたんだぞ、わかってるのか」という台詞は無いが、そう聞こえた。

22:5:27
追記…初鑑賞時は絶賛したが、その後主人公の自己犠牲を描きながら美しく着地した作品を目の当たりにし、且つそれとの相違で忸怩たる思いを抱くオーズファンの声を聞き、これは「未完成」たる印象が強くなった。

ヒーロー物が、観客にマイナスの感情を抱かせてはいけない。
諸星だりあ

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