大きな会場、たくさんのファンの前で惜しまれつつ卒業できるアイドルなんて、ほんの一握りなのだとこの映画を観ると思い知らされる。
地方の小さな会場、数えるほどのファンの前で精一杯歌って踊っている。
いつか大きなステージでたくさんのファンに囲まれてパフォーマンスができる日を夢見たアイドルが、自分の夢を諦める瞬間。
25分という短い映像の中に、スポットライトが当たること無くステージを去っていった、多くのアイドルの悲哀が全てつまっているようだった。
実際のアイドルが役を演じているのも見所で、彼女たちは映画の登場人物たちの行末に何を思いながら演じていたのか気になった。
ただ、1つ忘れてはいけないのが、そんな無名のアイドルにもファンはいて、彼女たちに元気を貰ったり、救われたりする人がいるということ。
有名だとか無名だとか、会場が大きいとか小さいとかは関係なく、少なからず誰かの心の支えになっているのは紛れもない事実であり、たとえ有名になれなかったとしても、それは人生の中で他人に胸を張って自慢できる素晴らしいことだと思う。