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評決のYYamadaのレビュー・感想・評価

評決(1982年製作の映画)
3.8
【法廷映画のススメ】
『評決』(1982年)
〈フィクション (1980年代 / ボストン) 〉

◆法廷の争点
麻酔により植物状態に陥った出産手術時の医師の過失について
・一時的な窒息にて脳死に至ったのは、医師の蘇生措置に遅延によるものか?
・窒息の原因になりえる「手術前1時間以内の飲食」を医師は知っていたか?

〈見処〉
①「名匠」×「名優」が描く、
 医療過誤訴訟の法廷ドラマの傑作!
・『評決』(原題: The Verdict)は、1982年製作の法廷ドラマ。
・本作の舞台は米国ボストン。過去に資格剥奪を審議された憂いを持つ、初老の弁護士フランク・ギャルヴィン(ポール・ニューマン)は、見ず知らずの人物の葬式会場で、遺族に対して営業活動を続けている現状から自己嫌悪に陥り、ひたすら酒を煽って気を紛らす。
・そんな姿を見かねた先輩弁護士ミッキーは、ギャルヴィンに対して、簡単に済みそうな訴訟事案として、出産の麻酔時のミスにより植物状態に陥った事件を紹介。カトリック教会が経営する病院側の辣腕弁護士コンキャノンは多額の和解金を提示、権威におもねる判事もこれを飲むよう忠告するが、被害者を目のあたりにしたポールは正義に目覚め、病院側が申し出た示談を蹴ってしまう。
・ポールは裁判の準備を進める一方、ローラという女性と親しくなるが…(eiga.comより抜粋)。
・本作は、ボストンを拠点にした著名な弁護士であるバリー・リードが1980年に発表した、同名のベストセラー小説が原作とした、正義を貫こうとする弁護士の戦いを描いた法廷ドラマ。
・本作の監督は、名作『十二人の怒れる男』(1957)のシドニー・ルメットが監督を務め『十二人の~』にて、ヤンキースの試合に行きたがっていた「陪審員7番」を演じたジャック・ウォーデンがミッキー役を演じている。
・また、あまりに怠惰なキャラクターのため、ロバート・レッドフォードが主演を断ったとされるアルコール依存症の弁護士を演じたポール・ニューマンの演技は絶賛され、彼自身も「自分の長いキャリアの中で初めてポール・ニューマン以外の人物を演じた」ものだと述べている。

②結び…本作の見処は?
○: 汚れ弁護士を演じた、他作品では見られないポール・ニューマンの熱演を垣間見れる。怠惰な日常シーンと、ラストに陪審員に語りかける弁論 シーンのギャップに演技力の高さを感じ取れる。
○: 相手方の敏腕弁護士よりも下衆の極みの判事がとにかく印象的。悪判事が出演する法廷ドラマにハズレなし!?
○: 謎の女性ローラの存在が、。(不完全燃焼も残りつつ)、作品のラストシーンまで予想出来ないストーリーとなっている。
▲: 傍聴席にはノンクレジットでブルース・ウィリスが出演しているようだが、見つけられず。
→(追記)最終弁論でポール・ニューマンの右斜め後ろ3列目の黄色シャツ、髪あり男性にて発見出来ました。
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