割と早い段階で、どういうことなのかはわかるが、それでも高い緊張感を維持したままで進行していく。
場面転換と音の使い方(画面と音の重なり方、絡み方、繋がり方など)が巧みで、鑑賞者の感情が揺さぶられる。
どういうことなのかはわかる、しかしこの映画は“わかる”ために観るものではない。わかってからもう一度始まるのだ。
ストーリーは一言で言えてしまう内容だが、そのストーリーをこのように描くことによって心が揺さぶれる、という、そのことが重要だ。
映画にできることをきっちりとしている作品だと思う。
映画表現のおもしろさ(興味深さ)を改めて感じた。
(2022年映画館41本目)