恐らく今年最後のレビュー
『ケイコ 目を澄まして』を鑑賞
とりあえずスコアは保留。
ふだん商業映画しか観ないライト層が
この16mmフィルムの映像を観て
果たしてどんな感想を持つのだろうか?
正直な話をすれば
1回目は諸手を挙げて『素晴らしい』と
言えるまでは嵌まれず。
「映画を仕事として携わっている人が観たら全く印象が違うんだろうなぁ」と。
ただ、カメラがほぼFixなのが良かった。
最近の邦画を観ているとやたら画面が揺れるのが妙に気になるし映像酔いするから。
でもって2回目(バリアフリー上映)を鑑賞。
じわじわくる...
なるほど、構図が良いのは言うまでもないが、最初のシーンから「音」を意識させるような作り方なんだね。でもケイコには聴こえていないのがミソ。
ボクシンググローブ🥊のイメージが朱色がかった赤色ということもあるのか、画面の至るところにこの色目が見事に配色されていた。
意図的に変えているようなそれぞれの手話シーン、荒川ジム前の階段あたりの佇まい、荒川ジムの汚いメッセージボードと五島ジムの最新タブレット、警察官の職質後の電車の光の美しさ、会長の脇が破れるジャケット、「物語(日常)がこのまま続いていく」ような印象を持たせるエンドロール。
岸井ゆきのさんはこの作品で何らかの映画祭の主演女優賞を取られるのは間違いないだろうし、三浦友和さんをはじめ他の役者さん達の演技も文句なし。
これは「インディペンデント映画の名作」として後世にまで残るような作品なのかもしれない。
とは言え自分自身が物語自体をまだ咀嚼できていないのがもどかしい。