備忘録

ケイコ 目を澄ませての備忘録のレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
5.0
完璧な作品。「力」の流れを記述する叙事詩的試み。「言語」は必要ない。ケイコの眼差し、垂直化する時間、風と光と影の世界。美しい。「意味」の世界を生きる私たちは何と不自由なのだろうか、水平化する時間の中で朽ちていく私たちはケイコの眼差しに永遠のアトム、つまりは瞬間を見いだすだろう。
本作は、「心」を記述するシェイクスピアよりも「力」を記述するホメロスを好む方に特にお薦めいたします。素晴らしい作品をありがとうございます、三宅監督は素晴らしい。岸井ゆきのさんの表現に打ちのめされました。昨今、類いなき才能です。社会的時間から存在を剥離し、垂直的時間を生きる「マレビト」とは正に岸井さんのような人のことだと感じました。素晴らしい役者さんです。 何回でも観たい作品です。現代の日本にこのようは作品を作る監督が存在するということに驚愕です。三宅監督の才能は計り知れない。正に日本の希望です。
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