続けていくことと続いていくもの。
ラストの街のカットが印象的だった。そこにあるものをそこにあるままそっと切り取っているような（実際にはかなり緻密に厳格に構成されてるのだろうが、それを意識させない）画面に宿る何かが涙腺を刺激する。ちょっとした表情や手話の動き、ジムでのボクシングの動き、光を浴びてキラキラとリングに舞う埃。
安易なカタルシスはなくとも、普段は見落としがちな日常とケイコを取り巻く人間関係の積み重ねが尊い。職場での女性従業員とのやりとりが好きだった。あんなにしっかりと丁寧にやりとりすることってまずないから、なんだか感動してしまった。
ラストのケイコの表情と走り出す姿にこれからも続いていく未来を見た。
こんなありきたりな感想はあまり言いたくないのだけど、日々を生きる勇気をもらえる。（疲れ切った心身に染み込む。）
