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ケイコ 目を澄ませてのmitzのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
2.5
聴覚障害を持つ女性ボクサーの物語。
音楽もなく、必要最低限の演出で時には手話にも字幕がなく、表情や視線などから主人公ケイコの心の機敏が繊細に描かれています。また16mmフィルムを使用し、ざらついた画質の中の下町の情景が印象的です。
全体を通じてドラマティックな展開はなく、会長の薫陶を受けるケイコの心情の変化をゆっくりと情緒的な演出で構成し、その中でボクシングという動きの多い競技と音のない静かな世界観のコントラストは見事に融合されています。
しかし、二時間の限られた尺に登場人物たちの心情を読み解くには余りに行間が大きく情報不足のため娯楽性は乏しく感じます。
要はとても美しい作品ですが、ストーリー自体は退屈です。どちらかと言えば、長編として連続ドラマの方が向いている作品です。
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