ケイコ 目を澄ませてのFewのネタバレレビュー・内容・結末

耳が聞こえないボクサーとしての日常を淡々と描く前半。ボクサーとして、閉鎖するジムと弱っていく会長、終わりに向かっていく様々を見つめる後半。


率直に言って、映画としての展開やサスペンス要素がすばらしいわけではない。エンタメって感じもない。
けれど、ケイコが「家が遠いから」という何でもない理由を持ち出して、ジム閉鎖後の移籍に足踏みしたこと、それに対してコーチが「がっかりだよ」と言い捨て去り、数日後にはぎこちなくも笑いあってる視線が絡み合う。それがなんとなく心に残っている。
日記を読み上げるシーンも、鏡に向かってパンチ打つシーンも良かったけど、この「家が遠いから」っていう理由を挙げたシーンが、素直だと他者から評されるケイコが唯一素直じゃなかったところで、それがまた理解してくれていたはずのコーチが、ケイコの悪あがきだとあまり気付かず、誤解する流れがよかった。
素直な人は、素直さの使い方が下手なんよね。

みてよかったです。