OASIS

ケイコ 目を澄ませてのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

岸井ゆきの、こんな演技されちゃったら好きにならないわけがないし何かしらの賞をあげないわけにはいかないじゃない。
ラストの泣き顔は万引き家族の安藤サクラとタメをはるくらいの自然さじゃないか?恐ろしいくらいにリアルだった。

間違いなくボクシングの映画ではあるんだけど、驚くほどに静かで地味。
ミット打ちn回、ロープn回...毎日のメニューをこなし日々を生きて来るべき日に備えて、そこには必ず勝ち負けがあって、どちらになろうがまたその日々の繰り返し。
しかし自分にはボクシングしかないから辞める訳にはいかない。
吉田恵輔監督の「ブルー」とも似たような所があったが、あちらは動とするとこちらは真反対の静。

なんせ過剰な音がない。
そこにあるのはリズミカルなミット打ちの音だけだ。
ケイコにとって拳から伝わるその音こそ自分を鼓舞する音楽なんだと。
内に秘めた思いの大きさとは裏腹にこれほど静かなボクシング映画もないのではと新鮮な体験をさせてくれる映画だった。
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