ムギ山

ケイコ 目を澄ませてのムギ山のレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.5
原作の本は2011年に出ているのだけど、これははっきりと2020年以降を舞台にしていてまさしく「コロナの時代の映画」であり、あのころの閉塞感が刻み込まれているような映画である。そしてただでさえ不安で重苦しい日常のなかで、聴覚障害者は「相手がマスクをつけていると何を喋っているのかまったくわからなくなる」という大きなハンディをさらに背負うことになるということに初めて気づかされた。これからはだれかに声をかけて反応がなくても、短絡的に怒るのはやめようと思いました。ましてや劇中に出てくるぶつかりおじさんや、テキトーに職質してよくわかんなくて中途半端に行っちゃうケーサツ官みたいなのになってはいけないのだ。

ボクシングのシーンは、冒頭の「コンビネーションミット」の場面からスゲーとしか思えないのだけど、ボクシングの心得のある人から見たらどうなんでしょうか。

ラスト、オープンエンディングというのはわかるのだけど、三浦友和が「よし」と言って車椅子で出ていって一体どうするのか? そもそもケイコはボクシングを続けるのか? というのがオープンすぎて宙ぶらりんで、鑑賞後すごーくひっかかる。なんかヒントだけでもくれー!
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