この映画で一回しかない音楽のシーンが印象的。でも、ミットを打つ音のグルーヴが伝わって来る。都会の無機質な音が中心だが、不思議と冷たさは感じなかった。
また、サイレント映画のようなタッチやコロナウイルスがある世界をきちんと描いているのが新鮮だった。
ケイコがただ移動するだけのシーンでも不安に思わせるつくりで、内容は少し重いけど、同時に救いとなるようなケイコの周囲の人々の温かさが伝わる描写が心を打った。
ケイコ役の岸井ゆきのや会長役の三浦友和はもちろん素晴らしかったが、ケイコの弟を演じる佐藤緋美がとてもよかった。