Anna

ケイコ 目を澄ませてのAnnaのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
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鋭くまっすぐな瞳
ケイコがそこに存在していた。
岸井ゆきのはどこにもおらず
目の奥までケイコだった。思わず震えた。

心地良いミット打ちの音を聞くことはできないけれど、都合の悪い声も聞こえない。
レフリーの声は聞こえなくて危険だけれど、観客の歓声の有無に左右されない。

友達だっているし、弟の彼女とも打ち解けられる。信頼できる会長だっている。
言葉がなくとも、ケイコの人柄がわかる。

善悪を描く“物語”ではなく
そこにいたひとりの人物の“生きる姿”をそのまま撮ったような作品だった。
「そこにいた彼女がたまたま耳が聞こえなくてたまたまプロボクサーだったんだ。」とでも言いたいばかりの。映画らしいのに、映画らしくなかった。
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