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今晩は愛して頂戴ナのbluebeanのレビュー・感想・評価

今晩は愛して頂戴ナ(1932年製作の映画)
3.5
導入のシーンがとにかくおしゃれでびっくりしました。朝、街の人々が起き出していろいろな生活音を鳴らし始め、それが重なり合ってリズムになり、音楽につながっていきます。トーキー映画の黎明期の作品とは思えません。

パリの主人公の歌を、いろんな人が移動しながらバトンタッチしていき、お城のヒロインんまで繋いでいく演出も神がかってました。そのお城をミニチュアで撮影して、窓から窓にクローズアップしていくところも好きです。人物の影の使い方も良かったです。三人の女中の並んだ影が壁に映るところとか、ならずものの歌のシーンの影とか。

ストーリーは身分違いの恋愛ものの定番で、愛は身分を越えるというストレートなものです。その中でも、主人公の身分が貴族でないと分かった時に、周りの貴族以上に、城で働く平民階層の人々態度の変化がより大きいという描写が印象的でした。こんなやつのために働いてたのか、と掌を返す人々を見てゾッとしました。
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