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ポスト・モーテム 遺体写真家トーマスのksのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

1918年ハンガリー、第一次世界大戦で重傷を負うも生還したトーマスは、少女に導かれある村へ死後写真を撮る仕事に出る。現像した写真すべてにある筈のない影が写り、周囲で不可解な現象が起こる。そこは無数の死霊に呪われた村だった。

ジャンプスケアは殆どないので「こわ、怖いなこれ……!」と安心して怖がることができた。死後写真撮影の仕事風景も結構丁寧で、農村の家や生活用具なんかもできるだけ古い物を使っている(と思う。外も中も真っ白な壁。雰囲気がすごく良い)

余談、ポスト・モーテムと同じく舞台は1918年で、戦場の爆撃で吹っ飛ばされるシーンから始まる映画といえば。『天国でまた会おう』

一般的なゾンビ映画ほどではないけど、結構死体が動く。クライマックスに向けて怨霊が見境なくポルターガイストを発動。トーマスの臨死体験描写と、地にめり込み水没する家の周りで火だるまの死体が跳ね回る狂乱のコントラストが印象的。

ホラーものではあるけど、なぜ怪異が起こるのかといえば、戦争と感染症(当時はスペイン風邪の大流行)に原因があって、生きられなかった人間たちを忘れ、無かったことにするなというメッセージがあると思うのよ。

で、最初と最後にサティ(Je te veux)を持ってくるセンスがなんかちょっと……こわ……(魂と肉体の話)
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