千年女優

空はどこにでもの千年女優のレビュー・感想・評価

空はどこにでも(2022年製作の映画)
3.0
音楽の才能に恵まれた少女で、幼い頃に母親が家を出たあとは祖母やおじさん、それに何よりも信頼を置く姉のベイリーと暮らしてきたレニー・ウォーカー。ところがその姉が不整脈で亡くなってショックを引きずる彼女が、17歳の多感な時期を迎えて姉の元恋人トビーと新入生で音楽好きジョーとの間で揺れ動く様を描いた青春恋愛映画です。

NY生まれカルフォルニア育ちの女性作家ジャンディ・ネルソンが上梓してアメリカ図書館協会ヤングアダルト部門から2010年のベストYA小説に選ばれたベストセラーをジョセフィン・デッカー監督で映画化したA24作品で、共同で制作したAppleTV+で配信されると主演のグレイス・カウフマンの演技を中心に批評家からは上々の評価を得ました。

音楽とミュージカル演出を使って十代の独りよがりな混乱を表現する作品で、常に鳴り続ける劇伴は同じく小説原作の映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を連想させます。とはいえその演出がただでさえセンチメンタルな物語を助長してくどさに繋がる面もありますが、それも含め良くも悪くもヤングアダルトらしい一作です。
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