Yoshishun

ハリウッド・コレクション:想い出のオードリー・ヘプバーンのYoshishunのレビュー・感想・評価

4.2
"愛をもらうのではなく、与える"

5/6(金)公開予定のドキュメンタリー映画『オードリー・ヘプバーン』に先駆けて、アメリカで製作されたTVドキュメンタリーとなる本作をアマプラにて鑑賞。

『ローマの休日』『シャレード』の2本しかまともに観たことのない私ですが、彼女がどういう生い立ちを歩み、映画と向き合っていたのかがわかりやすい。偶然にも出演作は決して多くないだけに、一作一作の解説も入っているので初見でも全く問題ない。

驚きなのは、『ローマの休日』でオスカーを獲得しながらも、決してひいきすることなく自身の芸域を広めることを優先した、映画人としては作品と真摯に向き合い続けた存在だったこと。あれだけチヤホヤされれば多少大作映画にも出演しそうだが、フィルモグラフィーからしても彼女の演じたいキャラクターだったのだろうと感心させられる。

その一方、晩年は役者を引退し、ユニセフ親善大使として貧困に苦しむ人々と向き合い続けた。また、母として育児にも妥協を許さない。幼少期、父との時間を知らず、かけがえのない愛を与えられなかった彼女だからこその、思いやりと愛に満ちた選択だったといえる。

どちらかというと出演作の裏話が多めなので、オードリー・ヘプバーンの人間性に大きく焦点を当てているだろうドキュメンタリー映画にも期待したい。
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