あさ

君を想い、バスに乗るのあさのレビュー・感想・評価

君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)
3.7
“バスの英雄”想いを貫く
じんわりと心が温まる優しさに溢れたヒューマンドラマ。

最愛の妻に先立たれた90歳のトム・ハーパーは、妻との約束を果たすため、ローカルバスのフリーパスを利用したイギリス縦断の旅に出る。
出発点の50年暮らした家のあるスコットランド最北端の村ジョン・オ・グローツから目的地のイギリス最南端の岬ランズ・エンドを目指して…。

90歳の老人が鞄一つでバスを乗り継ぎ、何千キロを横断するということさえ無茶な話なのに、彼は体に“ある問題”も抱えているというからどれほど大変なことか。

目的地に辿り着くまでには、数々のトラブルが待ち受けている。ただ、そんな中でも必ず手を差し伸べてくれる人がいる。出会っては別れての繰り返し…旅とは人生そのものなんだと。

愛する妻のために揺るがぬ信念を貫く勇敢なポールに喝采を送りたい。
ストーリーの最後の方で、ポールの悲しい過去が明らかになるが(これは見ていて非常に心が痛む)、だけどきっと幸せな人生だったんだよね!

それにしても本作の脚本が秀逸。脚本を手がけたジョー・エインズワースが、彼の父と義父の「高齢者向けの無料バス乗車券を使ってどこに旅をするか」という会話から着想を得て作られたとのこと(ちょっと実話であって欲しかったw)。
年齢より30歳近くの老人役に扮したティモシー・スポールの演技のうまさも光っていた(特殊メイクなしってことにも驚愕)!
あさ

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