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この子は邪悪のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

この子は邪悪(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

過去に交通事故に遭い、母は意識不明の昏睡状態に陥り、次女は顔に重い火傷を負い、父は足に障害が残った。ひとり無事だったヒロインは家族に負い目を感じて生きていた。それから5年後、昏睡状態から目覚めた母が帰宅することに。しかし、ヒロインは母の姿に違和感を覚え、母ではなく別人ではないかと疑念を抱くのだが......という話。TSUTAYAのフィルムコンテストで準グランプリを撮った作品の長編化らしい。

冒頭から続く不穏な空気と、謎めいた境遇の家族の紹介部分まではドキドキしつつ観ていたのだが、そこまでで提示された設定から話がほとんど動かなくて、やや退屈に感じた作品。
基本、家族や友人たちは表向きには善人ばかりで狂気が感じられなかったし、家族愛やボーイフレンドとの交流などの部分も希薄で、ほぼ家族関係と心療医である父親の秘密中心ででストーリーをひっぱっていた。これで1時間半の映画にするにはいささか苦しい。

父親の退行療法が万能過ぎてあまり現実味と恐怖を感じなかった。人格入れ替えられるという設定もえ?と思ったし、それなら脳移植とかSF要素を絡めたほうがまだ納得できた。また、精神を父親に一旦支配されたボーイフレンドが話の都合で正気に戻ったりとチグハグな印象を受けた。家族の秘密を知って嫌悪を抱いたヒロインが、最後には受け入れてしまうのもなんだかなあと思った。うさぎ可哀想。
キャストは演技派・個性派な面々だっただけに、やや残念な出来だった。

邦画に出てくるパソコンのキーボードは何故あんなり古びていて無駄にカチャカチャ鳴るのだろうか? あと登場人物の検索ワードのチョイスが酷い(^^)。あれで目的の情報見つけられるのかなあ?
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