てっちゃん

この子は邪悪のてっちゃんのレビュー・感想・評価

この子は邪悪(2022年製作の映画)
2.9
なんかすごいよという噂が聞こえてきたので、街中のシネコンへ観に行きました。

チケ予約した前日はそこまで客入ってない感じだなと思っていたら、いざ劇場内に入るとめちゃ入ってるじゃん、、
予約するときは隣に人が座りにくいような席にするんだけど、それも関係ないくらいの入り方。
しかも客層が若い!いつものミニシアターに慣れいるせいか、なんだか落ち着かない。

やはり私が、ミニシアターとの相性が良いのは、こういう環境が苦手なのもあるんでしょうな。
シネコンってことは、宣伝長いんでしょ?と思っていたけど、20分超えはしなかったので、一安心(それでも十分に長かったけど)。
それにしても、こういう系統の邦画を観ること、さらにはシネコンへ行くのはかなりの久しぶりだなと思った次第です。

あれ?この流れはまずいぞ、、、この前置きが長いパターンは絶賛かもしくはそこまでだったのかのどっちかだぞ、、とお思いかもしれませんね。
正解です。
観賞後には、うーんっと思わず唸り声を出してしまう感じでした。

とりあえず感じたのは、長くね?ってこと。
上映時間は100分なのに何を言っとるんだ!!と怒られそうだけど、体感時間の問題です。

ひとつひとつのシーンが長い。
これもっと縮められるだろと思うくらいに、なんだかテンポが悪くて、のっそりとぱんぱん進んでいかない感じ。

無駄に引き伸ばされたように感じる脚本もあるんだろうけど、画面と物語と人物が止まってしまっているので、体感時間が長く感じてしまう。

それこそ、シャンタル・アケルマン監督さんの大傑作「ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン」なんて、それを全く感じさせないどころか、異常な説得力と求心力すら持っているのだから、やはりここは力量の差と言わざるを得ないのではないでしょうか。
予算がないってのは両方同じみたいなもんなのに。
この辺は個人の感覚的な問題だとは思うけど。

あとは前半の期待感からの後半に向けての何やこれ?感の落差はとんでもないものがある。
前半は何?何?って感じで興味津々モードなんだけど、徐々に漂うなんてご都合の良い世界なんでしょ感、、そこから終盤へ向かう、あーあ(がっかり感)、もうどうでもいいよ感。

思わず笑ってしまったのは、終盤のある修羅場シーン。
修羅場が繰り広げられているんだけど、その脇で傍観する人達数名。
手も足も出ないから凍りついてしまうような感じでもないから、何やってんの?って思いっぱなしだった。

そこからのある意味、印象的なラストシーン。
どや!!!感満載の強力な圧力で襲いにかかってくるも、正直にこれを驚愕のラストシーンと言うのか、、と思ってしまった。
そりゃあ、そうきたか!とは思ったけど、これは"すごい"とは言えないでしょ感。

うるさい小言ばかり書いてきたけど、十分な長文になるってことはそれだけ楽しんだってことだし、南沙良さんの、え?って何度も出てくる台詞に乗っかって、ここだ!と思って自分も言ってたし、桜井ユキさんがとても良かったのは書いておかねばいけませんね。
てっちゃん

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