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N号棟のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

N号棟(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

女子大生の主人公は友人二人の卒業制作の調査の付き添いとして心霊スポットのいわくつきの廃団地を訪れる。ところが廃墟とはずなのに団地には住人が多数住んでいた。主人公たちは入居希望者と偽り、宿泊することとなるがその晩心霊現象が起こり、住人のひとりが飛び降り自殺してしまう。ところが翌朝、住人らは平然として日常をおくっていて......という話。実際に起きた幽霊団地騒ぎをモチーフにしているらしい。和製ミッドサマーと称される作風と噂されていたので鑑賞。

得体のしれない閉ざされたコミュニティおどろおどろしさを不気味に描いたカルト系ホラー。
低予算だと思われるが、わざとらしさや安っぽさはほとんど感じられず、撮り方と音響の工夫で観念的な恐怖を上手く表現している。特に、心霊現象時に団地の住人たちが複数階で一斉にパニックになるシーンはなかなか見応えがあった。心霊現象もやらせなのか本物なのかの微妙なラインで見せて終盤まではっきりさせずに引っ張っているのもうまかった。ヒロインが死恐怖症という設定ゆえに団地の謎にのめり込んでしまう点は興味深い。主演の萩原みのりは勝ち気だが不安定な役柄を演じさせるとピカイチだと思った。
難点は、終盤の逃亡シーンでの流れが悪いところかと。拘束されて命の危機に晒されたヒロインが逃げるよりも団地の秘密に執着するのもあんまり納得できなかったし、あれなら逃げようとしたけど再び住人に捕まるほうがお話的にスッキリしたかも。ヒロインの行動がことごとく止めておけば良いなあと思った方向に進むのも少しモヤモヤした。ヒロインの意識不明で寝たきりの母親の設定はいらなかったような。
全体的にはすごく好みのお話で、最近の邦画のホラーではバランスの良い作品だと感じた。痛い描写あるので好みは分かれそう。
そして、やはり雰囲気ミッドサマーに似てた。

ヒロインの元カレが現彼女とのふたりきりの調査に浮気相手であるヒロインを連れてくるあたり危機意識が足りないと思った。案の定、現彼女に浮気はバレていた笑
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